四万温泉エール美野薔薇 [バラの香りのペールエール]
スタイル ペールエール with バラの香り
アルコール 4.5%
四万温泉エール美野薔薇[みのばら]はペールエールの摩耶姫と同じ麦汁に、当ブルワリーと同じ中之条町内にある美野原という地区で栽培された『食香バラ』を使って香りをつけました。飲む前にふわっと感じるアロマと飲んだ後に口の中に広がるフレーバーも両方楽しめます。
『バラの香りのビールを作る』そう決まったときに一番最初に考えたのは、バラの香りのビールって美味しいそうか?….です。
バラの香りって華やかすぎて化粧品ぽいからビールには合わないんじゃないか?正直そう思いました。
でも、それ以上に面白そうだと思いました。だって、バラの香りのビールなんて思いつきもしなかったので、他にないものが出来るだろうと思ったのです。変わってる、珍しい、これってすごい褒め言葉です。
町内の農園とコラボ!日本のバラの谷を目指す!
でも、思ったよりも実際に仕込むのに苦労しました。
とりあえず、農園との初めての打ち合わせの時に生のバラの花をもらったので、それを一輪売れ残ったスーパードライの小瓶に詰めて冷蔵庫に保管しました。
そのことをうっかり忘れてしまい1ヶ月後に見つけたビール瓶を開けたとき、グラスに注ぐとふわっとバラの香りが広がりました。
『思ってたより簡単にいけるかも?』と思ったのは大きな間違いでした。
実際に仕込むときに使うのは乾燥したバラの花です。早速サンプルでもらったバラの花を同じようにビールにつけ込んでみます。ドラホップならぬドライフラワーですね。簡単と思っていたのに1週間、2週間、3週間、1ヶ月とつけ込んでも香りがしません。
乾燥したために香りが弱いのかもと1輪から2輪、3輪と増やしてみましたがそれでもダメ。薔薇の花は価格が高いため、3輪でも無理なのにこれ以上量は増やせない。ホップならドライホップが香りをつけるには最良方法でしたがそれがダメだと打つ手がない。
そこで、思いついたのがハーブティー!もともとバラの花はハーブティーで楽しめるものだから温度が高い方が香りが引き出せるかも。でも、ビール造りでは高い温度で煮込めば煮込むだけ香りは飛ぶのが常識。といっても立ち止まれないところまで来ていたので、コストが許す限りの量のバラの花を用意して作っちゃうことにしました。みんなに結果に自信が持てない製造は初めてです。もう祈るような気持ちで仕込みました。そうしたら、中之条のマルシェの時に販売しようという話も決まってしまって、これでバラの香りがしませんでしたとは言えなくなってしまいました。発酵が終わった後も味の確認をしなくてはと思ってもついつい先延ばしにしてしまって、瓶詰めを行い、結局味見をしたのはマルシェの前日。
『飲む前にバラ香りがする』『飲んだ後にバラの香りが口の中に広がる』こんな感想を聞けたときは安心しました。
実は前日の試飲では、私は「パラが香ってる、大成功」と思ったのに対して、嫁さんは「バラはどこにいるの?」との感想。当日は土下座する覚悟でした。
とにかく美味しい新製品が出来ました。
美野薔薇が四万温泉エールで一番高額になってしまったのは内緒です。
美野薔薇(みのばら)の名前の由来は?
この名前はラベルを作るのに名前を決めなくちゃと考えているときに突然降ってきました。
『美野薔薇』
仕込みに使った食香バラの栽培地が「美野原」という地区で「みのばら」と濁って読みます。バラが入っていたんです。もうこれ以外は無いなと決めました。
実は美野原という地区は四万温泉と縁のある地区で、10km以上離れていますが、その地区の農業用水は四万温泉から手掘りのトンネルで引かれているのです。